今こそブルーベリー

愛知県という温暖な地域で試行錯誤しつつブルーベリー栽培を楽しむ

ブルーベリーの接木挿しについて① メリット・デメリット

ブルーベリーの接ぎ木挿しは以前から行われている接ぎ木手法のひとつなのですが、今一つ普及はしていません。まぁ業者や果樹園等は台木を大量に挿せる環境が整っているので必要ないといえばそれまでなのですが。

とはいえ、自分のように趣味でブルーベリー栽培を楽しんでいる一般人には面白い方法です。なんと言っても台木栽培の必要がなく、必要なのは枝とナイフと接ぎ木テープだけ。ブルーベリーの栽培をしているのなら当然用土はあるわけですから、時期になればいつでもできます。

詳しいメカニズムは専門家の方のサイトや本をを見ていただくとして、僕は台木の挿し木もしつつ接ぎ木挿しをしているわけですが、実際にやってみると様々なメリットが見えてきました。

1.台木栽培のスペースが要らない
2.多少接合面がいびつでも力技でくっつけられる
3.接ぎ木部分を地表近くにできる
4.失敗しても次の枝を使うだけなので気楽

趣味栽培で1はかなり重要です。当然ながら一般家庭で広大なスペースを用意できる人は多くありません。台木とはいえ、成長すると大きくなるため置くためにそれなりの広さのスペースが必要になるためその部分を省けるのは大きなメリットです。

そして2は4とも絡んでくるのですが、所詮素人の接ぎ木なので失敗することも当然あるわけで…。台木の切り込みを失敗したり接ぎ穂の切り口を綺麗にできなかったり、失敗要因は多々あります。何より接ぎ木に失敗した場合台木を育ててきた年月、肥料等様々な労力が水泡に帰すことに。

その点、接ぎ木挿しは選定して出た枝を使って兎に角挿すだけ。多少接ぎ穂の切り口がいびつでもテープを使い力尽くで形成層を合わせることができ、失敗しても新たな枝を用意するだけ。台木を用意た場合この方法は難しいため、万が一失敗したとき運良く台木が成長すれば良いですがそのまま枯れたときの悲しさと言ったら…。

このような悲劇を避ける意味でも、接ぎ木挿しは非常に有効な増やし方だと思います。

3のメリットは台木からのシュートやサッカーの発生を抑制する効果があること。接ぎ木メリットが多いようで台木からのシュートやサッカーの処理が大変で本数を揃えると作業が増えるデメリットがあるため以前はブルーベリーの接ぎ木は普及しませんでした。しかし、接いだ部分を地表ギリギリにすればシュートが発生し辛く、サッカーの発生も抑制させるという実験結果が出ています。まぁ、趣味栽培ではこれらのメリット・デメリットはあまり関係ないので気に留めなくとも良いかもしれませんが。

4は2にも書いたとおり、失敗しても失うのは選定した枝だけなので枝がある限りいくらでも試行回数を稼げます。何本も接いでいると技術も熟達してくるので、台木を利用した接ぎ木をする時にも失敗を減らせるメリットまであるので良いこと尽くめじゃないかと。

続いてデメリットですが…、

正直あまり思いつきませんね。
一応失敗したらテープが無駄になるとかありますが、大した量は使いませんし使っている枝も捨てる予定の剪定枝、用度も使い回せるのでデメリットとは言えません。

あえてデメリットを挙げるとするなら、成長が遅いと言われています。成長するための栄養が傷口を修復するために使われるため成長が遅くなるんだとか。自分の経験上通常の接ぎ木に比べ1年程度成長が遅くなる感じですが、通常の接ぎ木の場合台木を育てる期間が必要なので結果的に同じなんじゃないかと。2~3年目には成長が追いつくので成長が遅くても全然問題ありません。むしろ、ゆっくり成長するので接いだ部分がしっかりと癒合して風邪でポッキリといった心配が少なくてむしろメリットと言えますね。

長々と書いてきましたが、何が言いたいかというと接ぎ木挿しはメリットだらけだから剪定時に出た枝で試してみてってこと!

自分も含め趣味栽培なら失敗なんて気にせず気楽に接いじゃおう